- 高齢者さんは賃貸物件を借りにくい
といわれています。
その理由は
- 孤独死の可能性がある
- 収入が年金のみで低く家賃滞納される
- 認知症になって火災や徘徊など周辺の入居者に迷惑をかけられる
- 保証人がいない
- 死亡した際に相続人が不明で賃貸借契約の解除ができない
- 残置物の処分ができない
などなどさまざまです。
そのような不安から、賃貸物件オーナーさんも、入居を断ることが多いのです。
そこで今回は
- 死亡した際に相続人が不明で賃貸借契約の解除ができない
- 残置物の処分ができない
の2つについて、スムーズに処理ができるようにするための、国土交通省と法務省が
- 残置物の処理等に関するモデル契約条項
を策定したので紹介いたします。
残置物の処理等に関するモデル契約条項
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001407753.pdf
賃借人と受任者で賃貸借契約の解除と残置物の処理に関する死後事務委任契約を締結
入居者さんが亡くなったあとに
- 賃貸借契約の解除
- 残置物の処理
をスムーズに進めるには、賃借人の高齢者と受任者となる方の間で、上記2つの委任契約を締結しておくことが有効です。
このときの高齢者が委任する受任者は
- 推定相続人
です。
もし推定相続人が受任者とすることが難しい場合は
- 居住支援法人
- 管理業者等の第三者
を受任者とすることができます。
賃貸借契約の解除事務の委任
もし委任者の高齢者借り主が亡くなった場合、受任者には賃貸借契約を解除する代理権が与えられます。
貸主である賃貸人は、こちらの受任者とによって、賃貸借契約を解除することができます。
これによって、スムーズに次の入居者募集に向けて動き出すことができるようになるでしょう。
残置物の処理事務の委任
委任者である高齢者借り主が亡くなった場合、受任者は、委任者が生前に指定していた先に残置物を送付したり、廃棄したりすることができます。
廃棄しないもの
そのため入居者である高齢者は生前に
- 廃棄しないものを指定しておく
- その送付先を明らかにしておく
ということが必要です。
受任者がそれを認識できないと、処分のしようがありません。
- 廃棄しないリストを作る
- わかるような目印を付けておく
- 受任者にわかるような金庫などの一定の場所に保管する
ということが必要です。
また、それらのものの
- 送付先となる住所や名前
もわかるようにしておきます。
廃棄するもの
廃棄する残りのものは
- 入居者がなくなって少なくとも3ヶ月が経過している
- 賃貸借契約が終了している
という条件で廃棄することができます。
高齢者の増加で賃貸オーナーも勉強が必要
少子高齢化が進み、今後高齢者の入居需要というのは増えてくるのは間違いないでしょう。
もし
- 空室に悩んでいる
- 高齢者の入居を進めたいが不安が多い
という場合は、こちらの契約条項などを活用して、入居を進めてみてはいかがでしょうか?
残置物の処理等に関するモデル契約条項
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001407753.pdf
わかりやすいリーフレット
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001391723.pdf
高齢者入居者向けサービスを活用する
これらの方法以外にも
- 高齢者向けの保険
- 見守りサービス
- 家賃保証会社
などがあります。
これらを活用することで、これから増える高齢者さんを入居対象とすることができ、空室を少なくすることができます。
その事により、住宅をなかなか借りられない高齢者さんの助けにもなりますね。