空き家問題は日本国内で深刻な課題となっており、所有者にとっても負担が増えています。
特に愛南町のような小さな町や村などの過疎地では、若者が愛南町外へ出ていき、返ってくることは少ないので、空き家が増える一方となっています。
そこで、空き家バンク制度が注目を浴びています。
本記事では、空き家を売却を検討中の方々へ
- 空き家バンク制度の仕組み
- メリット
- デメリット
について詳しく解説し、最適な選択肢を探る手助けをいたします。
空き家バンクとは何なのか?
空き家バンクの基本
まず、空き家バンクとは何なのかを理解しましょう。
空き家バンクは、空き家の情報を集納し、賃貸や売却希望者とのマッチングを促進するサービスです。
このサービスの主体となっているのが、愛南町役場などの自治体となっています。
所有者が空き家の情報を提供し、その情報がデータベースに登録されます。
この情報は一般の人々に公開され、賃貸や売却希望者が物件を探す際に活用できるようになっています。
各自治体がホームページなどを使って情報公開していますので、その自治体によってクオリティなどのバラツキがあり、力を入れている自治体もあれば、そうでない自治体もあります。
なぜ空き家バンクが登場したの?
空き家バンク制度は、空き家問題に対処し、地域経済を活性化することを目的として導入されました。
空き家があることで
- 治安の悪化
- 景観の悪化
- 不動産価格の低下
が起こります。
放置された建物は不法侵入や不正占有、放火のリスクが高まり、犯罪の温床となることが懸念されます。
空き家は管理されることなく放置されることがほとんどです。
当然老朽化が進み、美しい風景が台無しになることで、住みやすさや観光の魅力が低下し、地域全体のイメージに悪影響を及ぼします。
空き家が増えることによって、その地域の需給バランスが崩れ、資産価値低下につながります。
やがて、それは周辺の地域にも影響を与えてくることになります。
そのような空き家のデメリットを、空き家バンク制度によって少しでも減らし、所有者が空き家を維持するための負担を軽減し、新たな住民の誘致に寄与することで、地域振興を促進することが期待されています。
空き家バンクのメリット
空き家を売却できる
所有者にとって最も魅力的な点は、空き家バンクを通じて空き家を売却できる可能性です。
空き家を所有している人の多くは、どうしていいのかわからないのが現状です。
不動産業者に連絡するのは抵抗がある方などは、この空き家バンク制度を利用することによって、自治体の宣伝力を使って、空き家を売却できる可能性があります。
これは、特に地方地域や過疎地域において、需要が低い場合に有益です。
空き家を通じて新たな住人が地域に移住することで、地域経済が刺激され、地域全体の繁栄に貢献することができるでしょう。
地域振興への貢献
空き家バンクを活用することで、地域振興への貢献が期待できます。
新たな住人が地域に移住することで、地元のサービスや商品を消費し、地域の産業を支えます。
人口の減少は、経済の低下を招きます。
実際に愛南町も、そのような状況になっているでしょう。
空き家に、新たな人を呼び込むことによって、人口減少のスピードをおさえ、空き家による地域の資産価値減少も抑えることができるできます。
これにより、地域全体の経済的な健全性が向上し、地域振興が実現します。
例えば、地元の飲食店や小売業は、新たな住人によって支えられ、成長する機会を得るでしょう。
地域振興が実現することで、地域の魅力が高まり、新たな住民の誘致にもつながる良い循環のきっかけにもなるといえることです。
補助金制度の利用
空き家バンクを利用する場合、補助金制度を活用できる可能性があります。
これが
- 空き家バンクの最も大きなメリットの1つ
といえます。
各自治体は、空き家の活用促進を目的として、補助金を提供していることがあります。
たとえば、新たな住人に対して空き家をリノベーションするための補助金を提供するケースもあります。
愛南町の空き家バンク制度も、愛媛県外からの移住者に対しては、大きな金額の補助金が使えるようになっています。
愛南町へ移住される方におすすめの補助金「愛南町移住者住宅改修支援事業費補助金」とは?2023年度版
大きなメリットのある補助金ですが、当然使う人も多く、年度の途中には予算がなくなってしまうのが残念なところです。
これにより、新たな住人は住居の改善を行い、地域に新たな価値をもたらすことができます。
補助金制度は新たな住人にとって負担を軽減し、所有者にとっては空き家を売却しやすくする要因となります。
これが、売る側、買う側にとって、一番の空き家バンクのメリットになることでしょう。
通常の売却と異なる空き家バンクのデメリット
空き家バンクにはメリットもあれば、当然デメリットもあります。
しかし、そのデメリットも不動産業者を利用することで、かなりの部分をカバーできるようになっています。
所有者との直接交渉
空き家バンクを利用する場合、通常の不動産売却とは異なり、所有者との直接交渉が必要です。
通常の不動産取引では、不動産仲介業者が売主と買主の間に立って交渉を行うケースが一般的です。
しかし、空き家バンクの場合、自治体はマッチングをさせるだけですので、売主は買主と直接やり取りを行う必要があります。
自治体から連絡が入ると
- 物件の案内
- 売買の条件や価格の交渉
- 司法書士の段取り
- 売買決済
- トラブル解決
を売主自身で行う必要があります。
愛南町もそうですが、基本的に自治体はマッチングのみで、上記の対応は行っていません。
もし仕事をしている人で、物件から遠方に住んでいる人が、上記のことを現実的にできるでしょうか?
専門知識を持っていない一般の人が、トラブルなしに売買することができるでしょうか?
この点は、交渉能力やコミュニケーションスキルが必要となることを意味し、所有者との合意に達するためのかなりの努力が求められます。
所有者の条件と折り合いをつけるため、柔軟性と忍耐が必要です。
しかし、現実的にはかなり難しいことです。
そのような問題もあり、現在愛南町では、空き家バンクに物件を登録するときに、空き家バンクに対応できる愛南町の不動産業者一覧を紹介する形を取るようになりました。
不動産業者を入れるかどうかは、当然自由ですので、仲介手数料を節約したいのであれば、入れないほうがいいかもしれません。
しかし
- 物件の調査
- 空き家バンクへの物件登録
- 購入希望者さんの物件案内
- 条件や価格交渉
- 司法書士の手配
- トラブル対応
をしないといけないと考えると、不動産業者を入れるほうが、上記のような大きなストレスを減らすことができます。
自治体によっては、トラブルなどの防止の為、不動産業者を入れることを必須としているところもあるくらいです。
有限会社千寿不動産部も、空き家バンクの対応できるようになっております。
空き家バンクへの物件の登録から売却までの相談をするならこちら
物件情報の制約
通常の不動産売却に比べて、空き家バンクを介した情報は制約があることがあります。
空き家バンクを運営しているのは自治体であり、不動産業者ではありませんので、当然のことといえます。
物件の詳細情報が限られていたり、写真などのビジュアル情報が不足していることがあります。
これにより、購入希望者が物件を十分に理解するのに制約が生じることがあります。
この情報不足によって、後々、大きなトラブルに発展することもあります。
- 再建築ができない
- 隣地との境界にトラブルが有る
- 隣地への越境物がある
- 農地を違法に利用している
- 建物が登記されていない
- 抵当権が設定されている
- 古い物件の建物登記が残っている
など、不動産には多くのトラブルとなる火種がたくさんあります。
それらを自治体の方や、空き家の所有者さんが把握することや発見することは難しいものです。
やはり、このようなことからも、空き家バンクへ登録する際には、不動産業者を介して登録するほうが、トラブルや労力を減らすことができるでしょう。
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空き家バンクを活用するためのステップ
1.空き家バンクに登録
まず、空き家バンクに物件を登録することから始めます。
登録には
- 所有者の基本情報
- 物件の場所
- 特徴や詳細情報
- 売却希望価格
- 写真
- 間取り図
- 位置図
などが必要になってきます。
かなり面倒な作業にはなるでしょう。
有限会社千寿不動産部では、これらの登録のお手伝いをすることができます。
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2.内見希望者の物件案内
物件登録をしたら、各自治体の空き家バンクのホームページに掲載されます。
それを見た方が実際に物件を見たいとなった場合には、購入希望者さんが自治体に連絡して、自治体から空き家所有者さんに連絡が入ります。
日時を調整して、購入希望者さんを物件案内することになります。
その時には、物件の詳細を説明して、後々のトラブルにならないようにしておきましょう。
物件のメリットを伝えて購入していただけるようにしてもらうことも大切ですが、特に問題点がある場合には、しっかりと伝えておくことが重要です。
そこを隠して売買してしまうと、大きなトラブルになりますので注意しましょう。
有限会社千寿不動産部では、所有者さんに代わって空き家バンクの物件のご案内もできます。
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3.条件や価格の交渉
購入希望者さんが物件を見て購入したいとなったら、売買の条件や価格の交渉を行います。
細かい部分まで話し合って合意していないと、トラブルになることもあります。
- 売買価格はいくらにするのか?
- 発生する費用はどちらが負担するのか?
- 問題点をどのように解決して、その費用はどちらが負担するのか?
- 売買代金の振込手数料はどちらが負担するのか?
など、細かい部分まで話し合っておきましょう。
4.売買契約
話し合って決まったことは、文書にしておくことが重要です。
そうしていないと、間違いなく、言った言わないでトラブルとなります。
売買契約書に決めたことを盛り込んで記載しておくようにしましょう。
5.売買代金の授受と所有権移転登記手続き
売買契約を結んだら、所有権移転ができる状態にしていくために、問題などがあったら解決しておきましょう。
所有権移転ができる状態になったら、司法書士さんにお願いして、売買代金の授受と所有権移転登記手続きの日を決めてもらい、その準備をしてもらいます。
指定の日時になったら、司法書士さんの事務所や銀行などで、売買代金を受け取って、同時に所有権移転登記の手続きをしてもらうようになります。
印鑑証明書や登記識別情報、家の鍵など準備しないといけないものもありますので、司法書士の先生にしっかりと確認しておきましょう。
これで空き家バンクへ登録している物件が、新しい所有者さんへ変わることになります。
正直
- 物件から離れた地域に住んでいる方
- 仕事などで忙しい方
- トラブルに巻き込まれたくない方
などは、仲介手数料はかかりますが、不動産業者を入れたほうがいいでしょう。
有限会社千寿不動産部も、愛南町の空き家バンクの登録から売却までをお手伝いすることができます。
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まとめ
空き家バンク制度は、所有者にとって、空き家の売却を検討する上で魅力的な選択肢となっています。
物件を売却できる可能性や、地域振興への貢献が魅力的なメリットです。
特に移住者さんが補助金を活用できるのは、売主、買主にとって大きなメリットです。
愛南町へ移住される方におすすめの補助金「愛南町移住者住宅改修支援事業費補助金」とは?2023年度版
しかし
- 所有者と直接交渉が必要である
- 物件情報の制約
- トラブル発生の可能性
などのデメリットも考慮すべきです。
最終的に、空き家バンクを利用するかどうかの決定は、所有者自身の目標と条件に合致するかどうかに依存します。
賢明な選択を行い、地域経済の活性化に貢献することができるかどうかを検討することが肝要です。
愛南町の空き家の相談をするなら有限会社千寿不動産部へご連絡ください。